今回紹介したいバンクシアは『バンクシア バウエリ』
わが家では東西出身問わず数多くのバンクシアを育てていますが、もっとも力を入れて育てているのがバウエリ。
バンクシアを集めはじめた当初から憧れの存在で、収集から2年経ってようやく出会えたバンクシアです。
次また出会える保証のない品種なので、できるだけ長く、欲を言えば開花の瞬間に立ち合いたいですよね。
実際にバウエリを育てて開花させた方の育て方を参考にしたり、時には本場オーストラリアのサイトを翻訳して読み漁り、
バンクシア バウエリの特徴と育て方を徹底的に調べ、実践しました。
この記事では、『バンクシア バウエリ』を育てた感想と成長記録を紹介しています。
バンクシア バウエリの成長記録
お迎え当時の様子
ずっと探していた憧れのバンクシアを秋にお迎え。
滅多に流通しないバウエリの、それも中苗。
生産者様が試験的に育てられていた株のようで、トライアルにつき特別に販売することができたのだとか。
まさにラッキーなお迎えとなりました。
この時点で6号サイズの中苗。普段5号サイズ以下の小苗ばかりお迎えしているので、このバウエリがそれはもう立派なサイズに思えます。
枝ぶりもよく葉のハリ艶も申し分なく。そして株元の幹もがっしりしており、見るからに丈夫そうな健康な苗。
まさにこれから動き出さんとする成長点も多数見受けられました。
お迎えした時期が晩秋だった事もあり、霜と寒風に晒すまいと軒下にて管理。
南向きの庭なので1日中よく日が当たり、寒さのピークとなる1月の後半くらいまでは成長を止めずにすくすくと育ちました。
軒下で管理している以外の冬越し対策は一切行いませんでしたが、寒かったこの年の冬も葉一枚傷むことなく無事越冬。
どうやら氷点下5度くらいまでならびくともしない様子でした。
季節はまだ寒さの残る早春。
この頃になると土が乾くペースも早くなり、水切れも怖かったので今のうちに鉢増しを決行。
鉢から抜いてみるとしっかり根が回って根鉢が出来上がっていました。白い塊はプロテオイド根です。
ルーツポーチ2ガロンにプレミアムベラボンを加えたオリジナル配合の土を使って鉢増し完了。
これで安心して本格的な成長シーズンが迎えられそうです。
6ヶ月後の様子
お迎えから半年後の夏。
あれからバウエリは倍以上のボリューム感に成長しました。
成長期の勢いはとにかく旺盛。水も欲しがり、またすぐ乾きます。
いくつかあった成長点からは側芽も飛び出し、全ての枝が太陽を目掛けてぐいぐい伸びました。
そういえばあの時ルーツポーチへ植え替えたはずがなんで今菊鉢なのかというと、単にこちらの方が排水性が良さそうだったので、あの後すぐに移植しました。
バウエリは高温多湿な日本の夏を嫌うため、成長を止めるかと思いきや、今の今でもまだ新芽を出しては枝が伸びてる様子。
成長してくれるのは嬉しいけど、無理だけはしないでほしいです。
とにかく一旦スイッチが入ると生育旺盛でみるみる伸びます。
このまま無事に夏を超えたら、その時はまた一段とボリュームが増していそうで今からドキドキします。
バンクシア バウエリの特徴とわが家の管理方法
学名 | Banksia baueri |
タイプ | ヤマモガシ科 |
原産地 | 西オーストラリア州南部の砂質土壌 |
耐寒気温 | -5℃前後 |
開花期 | ー |
日照 | 日向むき |
バンクシア バウエリは、ウーリーバンクシアの俗称を持つ、羊毛のような毛むくじゃらの花が特徴の西オーストラリア州南西部原産の低木。
夏が乾燥した気候で最もよく育つと言われていますが、より湿気の高い環境でも苗から育てて花を咲かせることができる、比較的適応力の高いバンクシアです。
最も印象的な特徴は、クリームがかったオレンジ色の大きな花!
お花の参考イメージ
バウエリの花は羊毛を纏っているかのようにふわふわで、インパクト抜群なその大きなシルエットから、切り花として特に人気の高い品種です
日本では苗はおろか切り花やドライフラワーの流通もごくごく稀。欲しくても手に入らない、まさに“高嶺の花”
バウエリは這う性の品種ではないにしろ、やや低く横に拡がるように成長する低木なので、うまいこと地植えできれば日本の住宅事情にもあった素晴らしいシンボルツリーになりそうです。
育てる環境
わが家の栽培環境は、千葉県の比較的温暖な地域で、夏の最高気温は38度、冬の最低気温は-3度ほど(年に1〜2回あるかないか)の環境で、北風の当たらない南向きの庭、もしくは軒下にて育てています。
バンクシアバウエリ栽培のヒント
- 完全な日向から明るい日陰まで。
- 水はけの良い土。砂質および砂ローム質の土壌が最適。
- 夏場は遮光、もしくはできるだけ涼しい環境。
- 低リン肥料をお勧めします。
- 水やりは土が乾いたら(地表から1cmくらいのところが目安)
わが家ではバンクシア バウエリを日当たりのいい軒下で管理し、雨にあてずに水分は完全に人がコントロールしています。
バウエリを育てるにあたり、梅雨〜夏が最大の鬼門。
夏場は遮光し、サーキュレーター稼働によりできるだけ涼しい環境で管理しています。
気温、湿度ともに高い日が続くと、若い葉の縁が内側におり曲ってくるのでわかりやすいです。
蒸れが怖いので、早朝から気温の高い日は朝の水やりを見送って、夕方、もしくは帰宅後の夜間に灌水しています。
夏に比べたら冬越しはそこまで苦労しません。
冬場も基本軒下で管理を続けて、氷点下に下がる夜間のみ、成長点や根が凍るのを防具目的で屋内に避難。
根の成長が止まらず冬でも土がよく乾いたため、鉢の重さを確認しつつ必要に応じて灌水を続けました。
用土
バンクシア バウエリは水はけの良い砂質の土壌で最もよく育つとされ、わが家でも水捌け重視の土の配合で育てています。
具体的には、硬質鹿沼土小粒をベースに、パーライト、軽石。川砂、プレミアムベラボンなどを加え、適宜ピートモスを混ぜ合わせた弱酸性の土を使用。
パーライト、ピートモス、ベラボンが入るため土は軽く、じゃぶじゃぶ水を与えてもスーッと流れ落ちていく水捌けの良さ。
夏に乾きすぎる問題を考えると改良の余地がありそうですが、ひとまず次の鉢増しタイミングまでの間は、この水捌け重視の土で育てていくつもりです。
水やり
バンクシア バウエリの水やりは、土の表面が完全に乾いて、なおかつ鉢を持ち上げてみてやや軽くなったタイミングでたっぷり与えています。
基本的には日当たりと風通しの良い場所で管理しているので、土の乾きも早く、夏の晴れた日では朝あげても夕方にはもう乾いている場合が多いです。
特に成長期のバウエリは水を吸うスピードも早く1日で乾いてしまうため、水切れに注意しながらよく観察して灌水を行なっています。
肥料
バンクシア バウエリの肥料には『両筑プランツショップ』で購入した、リン酸をほとんど含まない「グレヴィレア バンクシア専用肥料」を定期的に与えています。
この肥料はその名の通り「プロテオイド根」をもつバンクシアにも安心して与えることができる配合で作られています。
固形肥料の他に、2価鉄イオン[Fe2+]を供給してくれる『鉄力あくあ』と
植物を超元気にしてくれる活力剤『HB101』を株の様子を観察しながら与えています。
剪定
バンクシアバウエリはリグノチューバを持たないため、強すぎる剪定は極力控える方が安心です。
剪定は花後の切り戻しや、伸びすぎた枝先を切って軽く整える程度であれば、通年で問題なく行えます。
わが家のバウエリはほっといても自然に側芽が出てボリュームも増えているので、未だ一度も鋏を入れたことがありません。
これ以上ボリュームが増すと風通しに影響が出てしまうので、どこかで一度整えたいとは思っています。
バンクシア バウエリを1年育てた感想
バウエリは別名ウーリーバンクシアとも呼ばれ、名前のとおり羊毛に包まれたようなもっふもふの、
それはもうあり得ないくらいもっふもふの花を咲かせる、とても魅力的なバンクシアです。
実際にバウエリを育ててみた感想は、成長もそこそこ早く、ボリュームも出やすいと感じています。
軒下で手厚く?管理している甲斐あって、お迎えから1年目は何事もなく育てることができました。
バウエリは実生から、早ければ3年、おおよそ5年ほどで開花すると言われているので、
順調に育てていけば来年の夏から秋頃に、もしかしたらがあるかもと期待しています。
ひとまず無事に育ってくれればそれだけで満足です。
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