今回紹介したいオージープランツは『ガストロロビウムブラックルビー』
ブラックルビーは、シルバーがかった濃い緑の葉と黒い花が人気のオージープランツです。
ワイルドな雰囲気の大きな花が立ち並ぶオージープランツの中でも、小さな花がちんまりと咲く本種は、お庭に繊細でアンテイーク調な雰囲気を醸成してくれます。
この記事では、『ガストロロビウムブラックルビー』特徴と育て方・成長記録を紹介しています。
ガストロロビウムブラックルビーの成長記録

オージープランツの中でもあまり見かけない黒い花に惹かれて、ガストロロビウムブラックルビーの栽培をはじめました。
一目みた瞬間から、この植物は高い位置から垂らすように育てたらカッコいいだろうなと思い、ハンキングで育ててみることにしました。
冬の終わり頃に一斉に開花して、そこから梅雨頃まで花は途切れることなく咲き続けてくれます。
途中枯れた花は自然と下に落ちるため、花殻をこまめに刈り取る必要がないのも嬉しいポイントです。
初夏の様子
初開花から4ヶ月ほど経っても花は途切れず、その間にも枝葉は伸び続けて株のボリュームも増え続けます。
ガストロロビウムブラックルビーの特徴とわが家の管理方法
学名 | Gastrolobium sericeum |
タイプ | マメ科ガストロロビウム属 |
原産地 | 西オーストラリア |
耐寒気温 | -3℃前後 |
開花期 | 1月〜6月 |
日照 | 日向むき |
ガストロロビウムブラックルビーはオーストラリア西部に自生するマメ科のオージープランツです。
伸びた枝は次第に垂れ下がるように広がるほふく性で、最終樹高は約30〜60cm幅は約1〜2mほどと、マメ科の植物の中でも比較的コンパクトなサイズに収まります。
葉は濃い緑からシックなシルバーリーフで質感はやや硬くカサカサとした印象。
ブラックルビーという名の通り、艶やかな黒い花が魅力的な植物です。
お花の参考イメージ

漆黒というよりもやや赤みがかったバーガンディーカラー。まさにブラックルビーの名にピッタリ!
ガストロロビウムと覚えづらい名前は、「ガストロ」と「ロビウム」で分けると覚えやすいです。
ガストロ=胃、胃袋。ロビウム=サヤという意味のギリシャ語に由来しており、「胃袋のような形をしたサヤ」の植物、という意味があるそうです。

育てる環境
わが家の栽培環境は千葉県の比較的温暖な地域で、夏の最高気温は38度、冬の最低気温は-3度ほど(年に1〜2回あるかないか)の環境で、北風の当たらない南向きの庭、もしくは軒下にて育てています。
わが家では、ガストロロビウムブラックルビーを午前中のみ日があたり、午後からやんわり日陰になる南向きの屋外スペースで育てています。
西オーストラリア出身ということで過湿は苦手ですが、それでも他の西オーストラリア出身のオージーと比べるとまだある程度の湿気には耐えられる印象です。
と言うのも、他の西オージー同様やや水分控えめに管理してみたところ、水切れで枯らしてしまった苦い思い出があります。
その後再びリベンジしたところ、冬以外は毎日水やりしている株が順調に育っているため、「ガストロロビウムブラックルビーはそこまで加湿に神経質になることはないかも」という結論に至りました。
毎日水を与える代わりに、とにかく風通しよく、水捌けの良い環境を心がけ、ハンキングで育てています。
ハンキングの様子

乾燥には強い様子ですが、冬の寒さで葉が傷みやすいため、北風には当てない方が無難です。
冬は株元に藁などでマルチングを施したり、軒下などで管理してあげると葉が痛むことなく翌年の春を迎えられます。
ちょうど花を咲かせるのがこの時期なので、葉に傷みの少ない状態で開花させてあげられると鑑賞価値の高い状態で楽しめます。
ガストロロビウムブラックルビーは季節によって置き場所が変えられる鉢管理がおすすめです。
用土
ガストロロビウムブラックルビーは深く砂質で水はけの良い土壌を好み、pHは5~6の弱酸性が適しています。
わが家では、市販の培養土をベースに軽石(パーライト、日向土)、ベラボンなどを配合した土を使用。

風通しと日当たりのいい場所で管理することが前提ですが、ガストロロビウムブラックルビーの土はいかにも水捌け重視のサラサラした配合よりも、多少水保ち肥料保ちのいい培養土の方が生育良く感じます。
わが家では、プロテアやグレビレア(一部例外あり)の土には市販の培養土をベースで使うことが多いです。
水やり
ガストロロビウムブラックルビーへの水やりは、土の表面がやんわり乾いたタイミング、もしくは鉢を持ち上げてみて少し軽くなったと感じたタイミングで与えています。
西オーストラリア出身のガストロロビウムブラックルビーは、基本的に湿度に弱い植物です。
しかしながら水をとても好むマメ科の植物でもあるため、花が付いている時期や夏場の水切れは即枯れにつながるので要注意。
実際にわが家でも残暑の残る晩秋に水切れで枯らしております。
根腐れよりも水切れが怖い印象ですので、前の反省を活かして冬以外はほぼ毎日水やりをしております。
肥料
ガストロロビウムブラックルビーの固形肥料には『両筑プランツショップ』で購入した、リン酸をほとんど含まない「グレヴィレア バンクシア専用肥料」を定期的に与えています。
この肥料はその名の通り「プロテオイド根」をもつバンクシアにも安心して与えることができる配合で作られています。

固形肥料のほか、春と秋には1週間に1度のペースで液肥とバイオスティミュラント活力剤を併用して与えています。


剪定
ガストロロビウムブラックルビーの剪定は、花後、混み入った枝をすかすように行います。
こまめに刈り込みながら育てると枝葉が茂り、こんもりした株姿となります。
ガストロロビウムブラックルビーを実際に育ててみた感想
西オーストラリア出身の植物の中でも比較的加湿に強く育てやすい印象ですが、水切れで一発昇天してしまうほど、水を好む植物です。
毎日水をやる前提で、大きすぎない鉢に水捌けの良い土で植えて、風通しのいい場所で管理してあげると、一回り大きく育った株から翌年も黒い花を楽しめます。
枝垂れる特性を活かしてハンキングでの管理が特におすすめです。
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