今回紹介したい庭の植物は『テロペア シェイディレディ レッド/ピンク』
テロペアはギリシャ語で「遠くから見える」という意味で、目が覚めるほど発色良く大きな赤い花は、確かに遠くからでもよく目立ちます。
このインパクト抜群の花を見て一目惚れ!
プロテアに負けず劣らずな高額プランツにも関わらず、赤とピンクの2品種同時購入してしまいました。
テロペアは生息地が高木生い茂る山の中や森の中ということで、オージープランツにしては珍しく?木漏れ日程度の光でも育つ貴重な存在。
せっかく2品種あるので、実験の意味合いも込めて片方を日当たりのいい花壇で、もう片方を半日陰の軒下で育ててみることにしました。
この記事では、『テロペア シェイディレディ』を地植えと鉢植えで育てた感想と成長記録を紹介しています。
『テロペア シェイディレディ』を地植えと鉢植えで育てる
鉢植え軒下管理のシェイディ レディ ピンク
ピンクというよりレッドをほんのり薄くしたような発色の『シェイディレディ ピンク』
葉傷みもあり花も終わりかけだったので、特価価格でお迎えできました。
すでに総苞(そうほう)は落ちていますが、それでも花が終わりかけとは思えないほどゴージャスな印象
色鮮やかな花のサイズは大人の拳大かそれ以上
見た目の存在感はキングプロテアにも肩を並べます。
花からピロピロ飛び出ている頭花(とうか)の質感はコリコリとしており、まるでロウやプラスチックを触ってるよう。
花の見頃が終わったタイミングで、上半分ほど切り戻しました。
もともと背の低い株だったので、剪定後はまるで挿し木仕立ての株のような地味な姿に変わってしまいました。
花後剪定から待つこと3ヶ月。剪定した箇所から無事に側芽も出た様子。
翌年春の様子
昨年秋頃の状態から全く変わることなく、なんなら葉を減らして越冬。
この状態から春の生育期になれば動き出すのか、少し心配になるほど成長がゆっくりの様子。
花なんてもってのほかですね。
地植え管理のシェイディ レディ レッド
ピンクよりも更にド派手で目立つ花が特徴の『シェイディレディ レッド』
こちらはひょろっと背の高く伸びた株で、すぐにでも鉢増しが必要と見て取れるアンバランスな5号鉢をお迎え。
これほど存在感のある花は唯一無二なのではないかと思わせるほど、真紅に染まった真っ赤な花
テロペアを知らない人もこの花が咲いてたら思わず立ち止まって見てしまうのではないでしょうか。
こちらも既に総苞は落ちてしまっているので見頃のピークは過ぎていますが、それでもすごい迫力
夜でもこの通り、真っ赤なお花は闇夜でも目立つようです。
南西側のロックガーデンに地植えしていますが、テロペアのおかげでいっそう華やぎました。
地植えの土は水はけ良く、念のため高植えしています。
この花壇は午前中日当たりがよく、午後からやんわり日陰になる場所で、風もよく通るので夏でも比較的涼しいポイント。
このあと花が終わったタイミングで一度掘り上げて、花壇のさらに左側へ移植しました。
開花シーズンの春がきたらこの花壇の主役になればと、ロックガーデンの中心に植えて見ました。
剪定後、無事に側芽もでた様子。ガンガン日の当たる場所に植えていますが、葉焼けした様子もなくすくすくと育っています。
春に花が咲かなかった枝からは花芽らしき物が膨らんできていますが、この段階だとまだ葉芽か花芽かの判断がつきません。
翌年春の様子
地植え管理のまま無事に越冬。
2日間ほど雪も積もりましたが特に傷んだ様子もありません。
昨年から膨らんでいた先端の芽はどうやら花芽だと断定して良さそう。
ある程度咲き切るまで気づかなかったのですが、ノーマークだった芽からも花が咲いて合計3Fになりました。
テロペアの開花でまた賑やかな庭になりそうです。
テロペア シェイディレディの特徴と育て方
学名 | Telopea speciosissimaShady lady |
タイプ | ヤマモガシ科 |
原産地 | オーストラリア(ニューサウスウェールズ州原産) |
耐寒気温 | -8℃前後 |
開花期 | 3月〜5月・9月〜10月の2季咲き |
日照 | 日向〜半日陰 |
テロペアはオーストラリアのニューサウスウェールズ州原産の植物で、現地では州花として親しまれ、先住民のアボリジニが呼んでいたワラタ(赤い花)という名前が使われています。
オーストラリアでは切り花用としてよく栽培されているポピュラーな花ですが、日本ではまだまだ馴染みの薄い植物で、切り花・苗ともに流通は極々稀。
春の開花シーズンになるとようやく数本見かけるかな?程度なので、狙っている方はタイミングを逃さないよう注意です。
テロペアにはいくつか種類があり、鮮やかな赤色の花を咲かせるテロペア・スペキオシッシマ(Telopea speciosissima )、テロペア・オレアデス(Telopea oreades)、それらの交配種のテロペア・シェイディレディ(Telopea shady lady)、白花を咲かせる(Telopea ’Wirrimbirra White’)などがあります。
どの品種にも共通して言えるのは、花が色鮮やかでサイズも大きく、とにかくド派手。
日本だと彼岸花や大きな菊の花と間違われそうな見た目ですが、個性派揃いのヤマモガシ科の中でも一際目立ちます。
葉の雰囲気はどこかシャクナゲ感もあり、革質で厚く、縁はギザギザしていてワイルドでかっこいいです。
育てる環境
わが家の栽培環境は、千葉県の比較的温暖な地域で、夏の最高気温は38度、冬の最低気温は-3度ほど(年に1〜2回あるかないか)の環境で、わが家の植物はすべて北風の当たらない南向きの庭、もしくは軒下にて管理しています。
最強オージーとの呼び声高く、湿度の高い日本の夏は苦手としますが、寒さにはめっぽう強いです。
耐寒温度は-8度前後と言われています。
また、オージープランツでは珍しく日陰でも育てることができ、むしろ日陰の方が良いとされる声もあるほど。
実際にはどうなのかと、日向、半日陰の両方で育ててみた結果、
わが家では日当たりのよい場所の方が生育良く感じました。
日当たり花壇で育てているレッド
日当たり抜群の花壇に地植えしている株と、反日陰の軒下で管理している株と2種類のテロペアを育てていますが、
日当たり抜群の花壇の方が花後剪定からの芽吹き、伸びるスピードが早いです。
軒下で育てているピンク
軒下で管理している株は、土の乾くスピードも生育スピードもややゆったりめ。
今のところどちらが花付き良く育つかとかそこまでは分かりませんが、日向でも半日陰でもどちらでも問題なく育つと言うことはハッキリと分かりました。
日向で育てる場合、夏は日差しが強すぎるので、西日を避けた所や午前中のみ日が当たる場所に置いてあげると安全かもしれません。遮光ネットなどを使った対策も有効です。
日陰で育てていた株をいきなり夏の日差し下に出すと、環境の急な変化についていけず、高確率で葉焼けを引き起こしますので注意してください。
用土
テロペアシェイディレディの用土には、普段バンクシアやグレビレアの土として使っているオリジナル配合の培養土を使っています。
配合内容は、硬質鹿沼土小粒と硬質赤玉土小粒をベースに、軽石と腐葉土のミックス+その時家にあるもの(パーライト、日向土、ベラボン等の内のどれか1種)。
かなり水捌け重視の配合ですが、鉢もよく乾き、地植えのような根になると評判の不織布ポット『ルーツポーチ』を使用しています。
水やり
水が大好きと定評のあるテロペア。
例に漏れずわが家のシェイディレディ レッドも水が大好きで、暖かい晴れの日が続いた場合、地植えではありますがたっぷり灌水しています。
半日陰で管理している方のシェイディレディ ピンクは、レッドの方に比べると葉の数も少なく、涼しい場所で管理しているためか吸水スピードも遅く、そのため夏場での灌水も3〜4日に1度のペースで(今のところは)足りています。
テロペアシェイディレディは過湿、乾燥ともに嫌うので、鉢土の表面の乾きを確認しながらたっぷりと水を与えるのが基本。
冬は根が休眠しており吸水力も落ちているため控えめに与えます。
肥料
テロペアシェイディレディに肥料を与えるなら他のヤマモガシ同様に低リン酸、もしくはリン酸が全く含まれていないものが好ましいです。
わが家で管理しているオージープランツには、『両筑プランツショップ』で購入した、リン酸をほとんど含まない「グレヴィレア バンクシア専用肥料」を定期的に与えています。
2価鉄イオン[Fe2+]を供給してくれる『鉄力あくあ』と、植物を超元気にしてくれる活力剤『HB101』も肥料と併用してあげると効果的。
わが家では主に梅雨入り前と越冬前に体力を蓄えたいタイミングで与えるようにしています。
剪定
オーストラリアのサイト情報によるところ、テロペアは花後にがっつり切り戻すことが推奨されており、
側枝を出させるよう仕立て直します。
それに習い、わが家でも花後剪定は株全体の2/3が残るところでバッサリ切っています。
剪定の際注意することは、必ず株に葉を残すこと。葉を残さない強剪定は最悪枯死につながります。
日向でも日陰でもすくすく育つ最強オージー
テロペアを育てるにあたって、言われてるほど日陰にこだわる必要はなさそうかなと感じています。
実際日向、半日陰の両方で育てていますが、どちらも元気に成長中。
あとは花付き(花数)にどのような影響を与えるか、引き続き観察を続けてまいります。
水をよく飲み、寒さにめっぽう強いテロペアは日本の環境でも育てやすいオージープランツです。
流通量は少なめですが、春の開花シーズンになるとあの派手な花を咲かせた苗が出回るので、
タイミングを逃さずお迎えしてみてはいかがでしょうか。
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