大小合わせてのべ15種類以上のバンクシアを育てているわが家が、日本の環境でも育てやすいバンクシアを紹介します。
今回紹介したいバンクシアは『ウォールムバンクシア(バンクシア アエムラ)』
ウォールムバンクシアは、ヘアピンバンクシアやヒースバンクシアに次いで、四季のある日本の環境でも育てやすく、最初に育てるバンクシアにおすすめの品種です。
わが家で育ててるバンクシアまとめ
枯れるかと思った『ウォールムバンクシア』鉢増しの失敗談
夏の時期のウォールムバンクシア
今現在※22年夏、わが家で育てているウォールムバンクシアの様子。
昨年の秋に迎えた頃と比べ、ボリュームは1.5倍ほどに成長しています。
秋に格安で迎えたウォールムバンクシア
昨年の秋に近所の園芸店にて8号サイズのウォールムバンクシアと出会い、価格が脅威の6000円ということもあり即購入。
相場よりずっと安い!
8号サイズの鉢に相応しいの幹の太さ!
直径で5㎝はあろうかという極太の幹に惚れ惚れしました。
不要な鉢増しで大失敗!
ところが、この時点でまだ園芸歴2ヶ月の私は、何を思ってかか早々に10号鉢へ鉢増し。
今ならわかる、明らかにサイズオーバーの鉢への植え替えなのですが、
当時の私は「大は小を兼ねる」と思い込んでいたために起こった愚策です。
8号鉢へも植え替えられたばかりだったため、当然まだ根鉢の状態ではなく、鉢から抜く際に「ブチブチ!」と嫌な音が・・・
根を半分以上切っての鉢増しとなってしまいました。
結局冬前に素焼き鉢にサイズダウン
気温も下がり始めた晩秋の鉢増し、しかも明らかなオーバーサイズに根も半分に切れてしまい、当然水を吸い上げる力も弱く土の表面は常にしっとり乾かず。
そんな訳でまさかの再度植え替えを敢行!
適正サイズの素焼き鉢へのサイズダウンで、今度こそ植え替え完了。
根も張っていないであろう状態で不安の中冬を迎えました。
あれだけ散々な目にあわせてしまったウォールムバンクシアですが、意外なことにその後も枯れる様子もなく(冬なので成長もなく)、冬の寒風にも負けず青々とした葉を展開してくれています。
バンクシアって思っている以上に丈夫でたくましいプランツなんだと実感した瞬間でした
『ウォールムバンクシア』の特徴
学名 | Banksia aemula |
タイプ | ヤマモガシ科 |
原産地 | オーストラリア |
耐寒気温 | -5℃前後 |
開花期 | 不定期 |
日照 | 日向むき |
ウォールムバンクシアは学名バンクシア・アエムラ(Banksia aemula)と呼ばれるオーストラリア東南部原産のバンクシアで、イングランドに最初に持ち帰られたバンクシアと言われています。
ウォールムバンクシアの葉は、「これぞバンクシア!」と思わず見惚れてしまうギザギザしたノコギリ葉で、艶のある常緑。
花は薄いグリーン色で、近い色味のコーストバンクシアやシルバーバンクシアに比べるとサイズはずんぐりと大きめ。
花は切り花の素材としても魅力的で、ドライフラワーにすれば1、2年は鑑賞することも可能。
縦に縦に成長する勢いがすごく、長く伸びた枝は時折剪定して枝数を増やします。
最終的な高さが5m以上に成長する木なので、シンボルツリーとしてもおすすめです。
リグノチューバー
バンクシアの中にはリグノチューバーと呼ばれる再生 機関を備えている種もあります。
山火事などで全身が喪失する出来事が起こった場合でも、リグノチューバーさえあれば再生することができます。
リグノチューバーは一般的には焼失を避けるために地際や株元、土の中に作られる場合が多いですが、
全てのバンクシアにこのリグノチューバーが備わっているわけではありません。
プロテオイド根
バンクシアには「プロテオイド根」と呼ばれる独特な根の構造をしています。
根が塊になっていることからクラスター根とも呼ばれ、リン酸を多く摂取する役割を担っています。
この根のおかげで多くのバンクシアは栄養の乏しい砂地や痩せ地に自生することができています。
逆に肥えた地だとリン酸過多で調子を崩して枯れてしまうリスクが!
『ウォールムバンクシア』を実際に購入して育てる
『ウォールムバンクシア』の値段の相場と購入方法
ウォールムバンクシアは日本でも人気が高く、苗としても比較的手に入れやすい品種です。
ウォールムバンクシアの苗を手に入れる方法としては、園芸店やホームセンター、もしくは楽天などのオンライショップを利用する方法があります。
近年ではフリマアプリなどでも多く取引されています。
価格の相場は5号ポットサイズで2000円台から。小さいポットサイズのものであれば1000円ほどで購入できる場合もありますが、大株や花つきの株だと価格が大きく上がります。
10号サイズ以上の大株の価格は、同じく人気が高く比較的流通量の多いヘアピンバンクシアやヒースバンクシアと比べてもやや高い印象です。
『ウォールムバンクシア』の置き場所
日当たりと風通しがいい場所に置くのが好ましい品種です。
ウォールムバンクシアは日本の環境でも育てやすいバンクシアなので、暖地であれば地植えもできるでしょう。
ただし、ウォールムバンクシアは高木タイプのバンクシアで、オーストラリアでは最大で8mまで伸びることもあるそうです。
地植えできればシンボルツリーとして周りのお家と差別化できる大変インパクトのある木となりますが、狭いわが家の庭ではせいぜい鉢植えでの管理で精一杯です。
ウォールムバンクシアは暑さ、湿度にもそれなりに強く、軽い霜にも耐えるため、わが家ではよく日の当たる屋外で管理しています。
『ウォールムバンクシア』の水やり
鉢植え管理のわが家では、春と秋は2〜3日に1回程度
冬は1週間に1、2回程度
夏は毎日あげてもいいのですが、蒸れも怖いので土の表面が乾燥してさらに指で軽く掘ってそこで土が乾いていたらあげるようにしています。
『ウォールムバンクシア』の用土
ウォールムバンクシアは酸性に傾いた土を好みます。
他の東オーストラリア出身バンクシア同様、水はけと水もち両方を意識した配合にしています。
わが家では、硬質鹿沼土小粒をベースに、硬質赤玉土小粒、軽石、パーライト、ピートモスなどを加えたものを使用。
『ウォールムバンクシア』の肥料
ウォールムバンクシアの肥料には『両筑プランツショップ』にて購入した、リン酸をほとんど含まない「グレヴィレア バンクシア専用肥料」を与えています。
この肥料はリン酸に敏感な根をもつバンクシアにも安心して与えることができる配合で作られています。
『ウォールムバンクシア』の病害虫
ウォールムバンクシアの病害虫で気をつけたいのがカミキリムシの幼虫による食害です。
幹が太くなると中に虫が入りやすくなるので、根元に穴を見つけたら薬剤を注入します。
プロテオイド根をもつ植物なので、根を食害するコガネムシの幼虫にも要注意!
わが家では、コガネムシの幼虫やアブラムシ対策で定期的なオルトラン散布で予防しています。
『ウォールムバンクシア』の剪定
他のバンクシア同様ウォールムバンクシアも剪定することで枝数が増え、幹も太くなるため、剪定は樹形を整えたり強風に強くなるというメリットがあります。
わが家でも伸びすぎた枝を適宜切り落としたり、2、3ヶ月に一度のペースで剪定を繰り返し、樹形を整えています。
ウォールムバンクシアは切れば切るほど分岐して枝数が増えていくので、剪定が面白くなるバンクシアの一つです。
『ウォールムバンクシア』の夏対策
ウォールムバンクシアは暑さに強く、日本の夏の高温多湿も耐える頼もしいバンクシアです。
わが家ではとくにこれといった夏越し対策は行わず、強いて言えば水はけの良い土壌に、水は早朝、もしくは日が沈みかけた夕方以降に与えて蒸れないようにしています。
わが家の住む地域は夏の気温が35度を超える猛暑日も珍しくなく、40度近い酷暑日もありますが、そんな中でも成長をとめずすくすくと伸び続けていました。
『ウォールムバンクシア』の冬対策
大株であれば-5度まで耐えるといわれているウォールムバンクシア。暖地であれば外で冬越しも可能です。
わが家でも基本的には屋外での管理で、寒波襲来時や強い寒風が吹き荒れる夜間にのみ、不織布のカバーをかけるなどの対策を行っていました。
その甲斐あってか、特に葉が傷む様子もなく春には何事もなかったかのように新芽を展開してくれました。
『ウォールムバンクシア』の増やし方
ウォールムバンクシアは挿し木で簡単に増やすことができます。
わが家ではウォールムバンクシアを剪定した際に出る切り枝を使って挿し木株を順調に増やしていってます。
挿し木の手順
切りたての枝の断面を乾燥させないようすぐに水に浸けるのですが、
この時、100倍に薄めたメネデール液を水の中に含ませておくと発根率が向上します。
メネデール入りの水に2、3時間浸けた後、断面に発根促進剤「ルートン」を適量まぶし、あらかじめ湿らせておいた用土(鹿沼土微粒7:ピートモス3)に挿したら完了。
時期にもよりますが、早ければ挿してから2ヶ月ほどで発根を確認することができます。
葉だけでもインパクト抜群!『ウォールムバンクシア』
ウォールムバンクシアはこれぞワイルドフラワーという名に相応しいギザギザの葉がインパクト抜群!
幹もゴツゴツして太く花も特大!
淡いグリーンのお花はバンクシアらしいシルエットでドライフラワーでも楽しめます。
アエムラは東オーストラリア出身のバンクシアで日本でも育てやすいのも魅力♪
耐寒性もあり、今年の−5℃も屋外で超えてくれました。
心配性な私は夜だけ不織布カバーをしていましたが、暖地であればノーガードで問題なく冬越しできるでしょう。
夏は蒸れ対策で軽く剪定してあげると良いです。
カットした枝を挿し木することで増やすこともできます。
高木タイプで成長したら背の高くなるウォールムバンクシアはシンボルツリーとしてもおすすめな品種です⭐︎
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