とっても珍しい西オーストラリア出身のバンクシア ブレクニフォリアの開花株をお迎えして、2年目も花を咲かせることに成功しました。
とはいえこの一年は試行錯誤の連続! わが家では実験の意味合いも込めてブレクニフォリアを鉢植えと地植えの両方で管理して、生育や反応を見比べながら育てています。
オージープランツブームの昨今といえど、ブレクニフォリアのような希少種の情報は探しても見つからないのが現状。
本場オーストラリアのサイトを翻訳して読み漁り、
バンクシアブレクニフォリアの特徴と育て方を徹底的に調べました。
この記事では西オーストラリアから学ぶバンクシア『ブレクニフォリア』の特徴と育て方を紹介しています。
バンクシア『ブレクニフォリア』の成長記録
迎えた当時の様子
地を這うように伸びた茎から天を突くバンクシアのコーンに、大きなギザギザの葉がインパクト抜群!
『バンクシア・ブレクニフォリア』がとうとう我が家の庭に爆誕しました。しかも2株 笑
本当に地面から立ち上がってる・・・正確には地面を這うように伸びている茎からバンクシア特有のあのコーンが立ち上がってる状態。
これでまだ蕾の状態。
花芽?蕾?の質感は裏起毛のような、硬い絨毯のような、まるで人工物のような質感。
耐寒気温は0℃からー5℃とされており、真冬の夜間は氷点下になる我が家の地域では日中はよく日の当たる軒下で管理。ブレクニフォリアを迎えた季節が真冬ということもあり、夜は念の為玄関の中に入れて管理しました。
最低気温が0度を下回らなくなったタイミングで屋外管理(軒下)に戻すことに。
暖かくなり始めの初春、ブレクニフォリアの花が膨らみ始めてきます。
気温が安定してくるタイミングでさらにもふもふが深くなり、いよいよバンクシアらしいフォルムを見せてくれました。
花の色は赤、ピンク、オレンジ、茶色が混ざったような、どこか上品な色味。
この状態の触り心地はモフッと弾力のある厚手の絨毯
ここからしばらく経つとふわふわとした見た目とは裏腹にカチコチとした質感に変化しました。
2年目の春の様子
迎えた年の夏、花終わりにブレクニフォリアをロックガーデンへ地植えしてみました。
地植えなので雨ざらしなのが心配ですが、土には砂やプレミアムベラボン、軽石などを積極的に配合。
さらに人工芝が広がる地面よりも少しだけ高植えすることによって水捌けを極限までよくしています。
地植えから1年経過した様子
地植えして約1年になりますが、新芽も順調に展開してもりもり成長している様子。
地植えした翌年は花がつかなかったものの、来年用の花芽がいくつか形成されているのを確認。
今からとても待ち遠しく思います。
さらに、昨年の花殻からは種らしき膨らみを発見。
いつか収穫できたらブレクニフォリアの実生にもチャレンジしたいところです。
もう一方の株は鉢植え管理を継続。元々の7号鉢からルーツポーチ(確か)5ガロン?へ鉢増し。
こちらは実験的に古い花芽を切って、さらに雨の当たらない軒下の半日陰コーナーにて管理
剪定した箇所からニョキニョキと新しい茎が伸びて、あっという間にルーツポーチから長く問い出すほど。
これって次の鉢増しはどうしたらいいのか判断が難しいですよね。
いずれ重力に負けてポッキリ折れちゃわないか心配なところ。
こちらは2年目の春に再び立派な花を咲かせてくれました。
地植えの方と比べてそこまで日当たりに恵まれた場所ではないのですが、花後剪定が効いたのか、根っこが制限されているのが効いたのかはわかりませんが、迎えた当初咲かせてくれた花よりもひとまわり大きな花でした。
株の成長具合を見比べてみたところでは、地植えの方も鉢管理の方も成長スピード及びサイズ感は今のところ同じくらいです。
3年目の春の様子
地植え株は脅威の5F
昨年花を付けなかった地植え株の方は沈黙を破り5つの花芽を確認。
ルーツポーチ管理の株は3年連続の開花
毎年安定して花芽を付けてくれているルーツポーチ管理の株からも今年は2つの花芽を確認。
ルーツポーチのふちから長く突き出た茎を見て、そろそろこちらも鉢植え管理の限界を感じています。
バンクシア『ブレクニフォリア』の特徴
学名 | Banksia blechnifolia |
一般名 | サザンブレクナムバンクシアまたはグラウンドカバーバンクシア |
タイプ | ヤマモガシ科の半耐寒性常緑低木 |
樹高 | 最大樹高40cm |
株幅 | 約3m |
開花期 | 主に春(西オーストラリアでも春) |
日照 | 日向 |
オレンジ、またはピンクからブラウンの棒状の花を咲かせる、西オーストラリア原産の珍しい這性バンクシア。
シダのような切れ込みの深い葉が特徴で、10cm程の大きさの花を地面を這う茎から咲かせる。
耐寒性-5℃程度。環境によって耐寒性は変わるものの、概ね0℃を下回らないよう気を付けたい。
他のバンクシア同様、乾燥を好むものの水切れは厳禁。特に夏は要注意!
暑さには強いものの、直射日光は注意が必要。35℃を超える日は寒冷紗などで遮光すると安心。
海外サイトで調べた『ブレクニフォリア』の育て方
日本で情報がなければ本番西オーストラリアの情報に頼ればいい!
と言うことで、西オーストラリアのありとあらゆるサイトを読み込んで、バンクシアブレクニフォリアの育て方を自分なりに解釈したので共有します。
1つだけ大前提として、この情報は西オーストラリアでの栽培を前提としており、西オーストラリアから北へ行くにつれてブレクニフォリアの栽培は難しいとされているそうです。
1番意識したいのは西オーストラリアと日本の降水量の差。バンクシアブレクニフォリアが自生している地域での年間降雨量はたったの400㎜
対して日本は年間平均1718㎜。ざっと4倍以上雨が降るんですね。
なのでバンクシアブレクニフォリアの栽培成功のコツは、いかにして雨を避けるか、西オーストラリアの環境に近づけるかに掛かっていると私は判断し、それを実行していこうと考えています。
バンクシアブレクニフォリアの性質
バンクシアブレクニフォリアの性質はとても丈夫で、乾燥にも霜にもある程度耐性あり。
植えて根が定着すると、放っておくだけでよく育つとされています。
コンテナで育てることも可能ですが、とにかく横に横に広がる植物なので、最終的には地植えで育てることが好ましいようです。
バンクシアブレクニフォリアの増やし方
種から育てる方法
西オーストラリアでは、バンクシアブレクニフォリアは種から増やすことが一般的。
とはいえここはまだまだバンクシアの流通の少ない日本。
そうそう簡単にブレクニフォリアの種は手に入らないのですが、一応種から増やす方法を記しておきます。
- シードコーンを株から切り離す
- シードコーンを120°Cのオーブンに1時間入れて温める
- 滅菌したピンセットを使用して、個々の種子をそっと抽出
- パーライトなどで水はけのよい無菌の土を使用したポットを用意
- 土の上に種を置き、土の細かい層で覆いかぶせる
- 種子を落とさずに、土壌を湿らせておくために定期的にミストする
発芽は概ね3~6週間以内に行われます。
発芽中は、苗木を半湿気のある明るい場所に置いてください。
種から育てた場合、はじめての開花にかかる日数は約4~5年と言われています。
挿し木から繁殖する方法
種からの繁殖に比べると著しく成功率が落ちるそうですが、挿し木も可能です。
- 茎から健康な葉を切り取りこれを挿し穂とする
- カットした挿し穂の断面を滅菌する
- 滅菌して乾燥したら、切り口を発根ホルモンに浸す
- 培養土に植える
すべてが根付くわけではないので、一度にいくつかの挿し木を試すことをお勧めします。
バンクシアブレクニフォリアを育てる環境
バンクシアブレクニフォリアはさまざまな環境に適応し(西オーストラリアでの場合)、特に耐霜性があります。
本番西オーストラリアでは、砂地や岩場、海岸沿いプールサイドなど、至る所で育てる事ができるそう。
日本で育てる場合は、日当たりと水はけのよい土壌、風通しの良さが栽培のカギを握ります。
1日中日当たりの良い場所
ほとんどのバンクシア種と同様に、バンクシアブレクニフォリアの栽培に日当たりは欠かせません。
ほぼ丸一日日が当たる場所に置いてあげるのがベスト。
ただし、35度を超えるような日差しの強い日には直射日光を避けて寒冷紗などで日除けしてあげると良いとのことです。
これは直接生産者様に確認しました 。
水はけのよい土壌
バンクシアブレクニフォリアは砂のような土壌が大好きなので、砂質またはローム質の土壌が理想的な成長に最適です。
PHは5.5から7.0を意識。
バンクシアブレクニフォリアの水やり
バンクシアブレクニフォリアは干ばつ耐性が高く、1度根をはると自然の降雨任せで水やりを必要としません。(西オーストラリアで地植えでの場合)
日本での栽培は鉢植えを基本とする為、その他のバンクシア同様土の表面が乾いたら底から水が溢れ出るくらいたっぷりと
メリハリのある水やりを心がけると良いです。
慣れないうちは鉢を持ち上げて重さで判断するのもおすすめ。
私自身、水やりのたびに鉢を持ち上げて重さで判断することが多いです
これは個人的見解ですが、バンクシアブレクニフォリアは比較的水が好きなんじゃないかと感じています。
わが家では土の表面がやや乾くか少し湿っているくらいのタイミングで水を与えることが多いのですが、育てている環境にも左右されるため参考程度に。
バンクシアブレクニフォリアの肥料
バンクシアブレクニフォリアはその他のバンクシア同様、栽培に多くの肥料を必要としません。
特にリンの含まれる肥料はこのバンクシアにとっても致命的なので避けたいところ。
西オーストラリアでは、植え付け時に緩行性の肥料(もちろんリン含まずかごく少量)を使用するのが一般的とのこと。
その後は、春に追肥を行い成長を促します。
バンクシアブレクニフォリアの剪定
ほとんどのバンクシアの品種と同様に、剪定は主に植物のサイズを維持するために行う必要があります。
古くなったコーンはそのままでも問題ありませんが、取り除くと翌年の花芽が出やすくなるそうです。
実際に試してみましたが、花芽を残した地植えには翌年花がつかず、古い花芽を切り落とした鉢植え株には翌年も花がつきました。
『バンクシア ブレクニフォリア』を育てた感想
バンクシアブレクニフォリアは、環境さえ整えてあげて根が張れば、干ばつにも霜にも耐えるとても丈夫なバンクシアです。現地の人が言うのだから間違いありません。
とはいえ、日本で育てる以上、梅雨の長雨も夏の灼熱&ゲリラ豪雨も、寒い冬も避けられないのも事実。
そう言った意味でも、バンクシアブレクニフォリアを日本で育てる場合の栽培難易度は高いと感じています。
西オーストラリアのように庭にボンっと植えてほっといても育つような植物ではなく、
雨を避けて強い日差しを遮光して水やりに細心の気を配って、そこまでしてもやっぱり突然枯れちゃうこともあるよね〜くらいの覚悟で栽培に臨むくらいがちょうどいいかと。
可能な限り栽培環境を適切に整えて、この魅力的なバンクシア ブレクニフォリアがある暮らしをできるだけ長く楽しんでいければと思っています。
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