カンガルーポーは切り花やドライフラワーでも定番ですが、近年ではオージープランツブームに乗っかり苗の流通も盛んです。
赤、黄、白、ピンク、オレンジなどの定番カラーから、魅惑のグラデーションが美しいセレブレーションシリーズまで、日本でも数多くの種類のポーを見かけるようになりました。
流通シーズンの春になると色とりどりのポーがショップに並ぶので園芸店巡りが楽しくなります。
その反面、まだまだ謎だらけで育て方の情報など少ないのが現状です。
実際にカンガルーポーを育ててみて、経験を元に失敗も成功も記事にまとめてみました。
この記事では、『カンガルーポー』の特徴とを鉢植えと地植えで育てた感想・成長記録を紹介しています。
『カンガルーポー』の成長記録
わが家では鉢植えと地植えの両方でカンガルーポーを育てています。
中でも地植えで育てているカンガルーポーの発育がよく、地植えしてから翌年の春もたくさんの花を咲かせてくれました
基本的にカンガルーポーは日本での地植えに向かないとされていますが、品種によっては意外と地植えも成功します。
例えばクラシカルカラーのピンク、白、オレンジ(赤)だったりは地植えされて大株に育っているポーを見かけるので、チャレンジするならまずはこの辺りの色から初めてみると良さそうです。
カンガルーポーを地植えするにあたって重要になるのが、地植えする株の状態をよく観察して株を選ぶこと。
丈夫なポーを選ぶコツ
ニラのような葉の株=◎
万能ネギのような葉の株=△
私の経験上、葉1枚1枚の幅が太く枚数が多いもの、そして茎が太く株全体がずっしりしている株が地植えでも鉢植えでも成功しています。
逆に葉が細く、花茎がひょろひょろの株は夏にあえなく散ってしまう印象です。
地植え管理のポー
花終わりに剪定して、初夏に地植え。
しばらくは葉だけのニラ状態が続きましたが、暑い夏と寒い冬を乗り越えて翌年の早春にまた花芽がニョキニョキと上がってきました。
正直枯れる覚悟で地植えしたので夏も冬もノーガード。
土だけは水捌けの良い配合にして、植えた場所は周りの地面より根鉢一つ分高く植えています。
初めて花芽を確認してから3ヶ月ほど経った株の様子
昨年鉢植えでお迎えした株が5倍ほど大きくなって、たくさんの花を咲かせてくれました。
このペースで育つと翌年はどうなってしまうのか少し心配なペースです。
この花壇がポーで埋め尽くされてしまう日も近いかも?
鉢植え管理のポー
わが家が鉢植えで管理しているポー
- ファイアワークス(セレブ)
- マスカレード(セレブ)
- オージースピリット(セレブ)
- キングスパークロイヤル(セレブ)
- ブッシュダイヤモンド(白花)
わが家では鉢植えでいくつかの種類のカンガルーポーを育てています
ただ結論から言うと、わが家では鉢管理よりも地植え管理の方が生育良く育っています。
鉢植え管理のものはどうしても夏に蒸れてしまって葉がボロボロに傷んでしまうので、わが家ではまだまだ改善の余地がありそうです。
カンガルーポーは魅惑カラーのセレブレーションシリーズが特に人気が高く、近年ではホームセンターなどでもよく見かけるようになりました。
育て方の印象としては従来シリーズと同じ印象を受けますが、セレブレーションシリーズはなんとなく地植えが難しいような印象を受けたので、わが家では鉢植え(軒下管理)で楽しんでいます。
それでも初めてお迎えしたポーは夏終わりに葉が真っ黒になって枯らしてしまいました。
この時は軒下の広報の日陰で過保護に管理していたのですが、今にして思えば風通しが良くなかったように感じます。
それが原因でインク病が拡がり株が弱ってしまったか、土が乾かず根腐れしてしまったか、またその両方が原因か。
次からは風通しを意識した管理を徹底してリベンジしてみます。
カンガルーポーの特徴
学名 | Anigozanthos |
タイプ | アニゴザントス属ヒガンバナ科 |
樹高 | 20~150cm |
葉張り | 約50cm |
開花期 | 3月上旬~初夏 |
日照 | 日向〜半日陰 |
カンガルーポーは、カンガルーの前足のような形のユニークな花を年1回咲かせるオーストラリア南西部が原産の多年草です。
オーストラリア原産の植物ですが、現在日本で流通しているもののほとんどが品種改良された品種になり、日本では草丈50cm~90cm程度の園芸品種が鉢植えとして出回ることが多いです。
品種によりさまざまな色の花が咲き、また品種によって背丈も違えば花付き、枝ぶり、地植え不向きなど、生育・性質も異なります。
カンガルーポーを育てる環境
わが家の栽培環境は、千葉県の比較的温暖な地域で、夏の最高気温は38度、冬の最低気温は-3度ほど(年に1〜2回あるかないか)の環境で、北風の当たらない南向きの庭、もしくは軒下にて育てています。
カンガルーポーを育てる上でどの品種にも言えることは、基本的には水捌けの良い土、日当たり、風通しの良い環境で育ててあげることが好ましいです。
ある程度の暑さ、寒さは耐えますが、高温多湿の日本で育て場合にはやはり夏が鬼門となるので、夏だけは日当たりよりもできるだけ涼しい環境が望ましくなります。
冬は連日氷点下になる環境や雪の積もる環境、北風がガンガンに当たる環境では育ちません。
軒下のような場所があればそこで管理してあげると成功率がグッと上がります。
上記を踏まえるとやはり鉢植えで育ててあげる方が安全ですが、品種により地植えで管理することもできるので、同時期に流通する同じく人気のオージープランツ『セルリア』よりかは植栽の自由度は高い印象です。
この色鮮やかで見た目のインパクトある花が、お庭で楽しめたらテンションが上がります。
カンガルーポーの用土
水捌けにこだわりたいカンガルーポーの用土には、普段バンクシアやグレビレアの土として使っているオリジナル配合の培養土を使っています。
配合内容は、硬質鹿沼土小粒と硬質赤玉土小粒をベースに、軽石と腐葉土のミックス+その時家にあるもの(パーライト、日向土、ベラボン等の内のどれか1種)と、かなり水捌け重視の配合です。
自分で配合するのが面倒な場合は、四国ガーデンさんの『ネイティブプランツ専用培養土』がおすすめ。
四国ガーデンさんのオリジナル用土は水捌けに優れており、オージープランツ全般に安心して使えます。
カンガルーポーの水やり
地植えした株へは基本灌水を行わず、夏場のみ様子を見て水やりをしました。
鉢植えの方は
カンガルーポーの肥料
カンガルーポーの肥料には芝用の液肥、もしくは寒肥などで使うぼかし肥料などを定期的に与えてます。
肥料を選ぶ基準としてはやはりリン酸が極端に多すぎる配合のものは避けていますが、そこまでシビアになる必要はなさそうなのでホームセンターなどで売られている安価なもので、バランスよく栄養が配合されているものを選んでいます。
肥料の他に、2価鉄イオン[Fe2+]を供給してくれる『鉄力あくあ』と
植物を超元気にしてくれる活力剤『HB101』を株の様子を観察しながら与えています。
カンガルーポーの病害虫
インク病
葉が黒くなって徐々に拡大、最終的に株下まで黒くなって枯れる
日本の環境でポーを育てる上でインク病は避けられないので、罹患している葉を見かけたらつど剪定
カンガルーポーの剪定
花後に花茎を株下ギリギリで切り戻す。しばらくはニラ状態ですが、翌年の初春頃からまた花があがる
インク病の葉をカット
カンガルーポー管理の鬼門は圧倒的に『夏』
ポーの管理で鬼門になるのは日本の過酷な夏。
夏に限って言えば日当たりよりも半日陰のような涼しい場所で、とにかく風通し良く管理してあげることが何より重要です。
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