今回紹介したいオージープランツは『ダーウィニア オキシリピス』
わが家では見た目と性質の異なる3種類のダーウィニアを育てており、その内の一つ、オキシリピスは大きなベルのような見た目の花を咲かせるとても美しい品種。
ただし、日本に流通するダーウィニアの中ではやや育てるのが難しいとされており、流通もほとんど行われておりません。
そんなオキシリピスを実際に育ててみて、これまでの成長記録を振り返り記事にまとめてみました
この記事では、『ダーウィニア オキシリピス』特徴と成長記録を紹介しています。
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ダーウィニア オキシリピスの成長記録
オキシリピスの流通が始まる初春に無事苗をゲット。
流通シーズン以外の季節にはめっきり見かけなかった苗が、あっさり地元のHCに並んでいました。
トゲトゲの葉は一見すると痛そうですが、触ってみるととても柔らかいです。
細い葉は枝いっぱいにひろがって、先端には大きなベルのような花苞が垂れ下がるように顔を出してます。
オキシリピスの花は赤と緑のツートンカラーが目を引きますが、色味はどちらも控えめな印象。
株いっぱいにウネウネと暴れ回る姿はヒュドラとかヤマタノオロチを連想します(厨二心くすぐります)
首を切ったらまた生えてきそうじゃないですか?
花期がとても長く、初春に迎えてから約3ヶ月の間ベルの状態をキープ。
さらにほとんど全ての花から種を確認したので、これを採取していつか実生にも挑戦してみたいと思います。
花後は株をガッツリ切り戻します。
わが家は切るタイミングが遅れてしまい、夏半ば頃の剪定になってしまったので来シーズンまた花が見られるか怪しいところです。
半分以上短く切り戻しましたが、剪定から約1ヶ月ほどでかわいい新芽が勢いよく展開してきました。
ダーウィニア オキシリピスの特徴と育て方
学名 | Darwinia oxylepis |
タイプ | フトモモ科の耐寒性常緑低木 |
樹高 | 約1m |
葉張り | 約50cm |
開花期 | 3月上旬~ 5月頃 |
日照 | 日向〜半日陰 |
ダーウィニアは約70種確認されているオーストラリア原産の低木で、大部分は西オーストラリア州の南部で見られます。
日本でも数種類のダーウィニアが流通しており、「マウンテン ベル」と呼ばれるダーウィニア オキシレピスは、枝先に釣鐘形の目立つ花を咲かせます。
開花イメージ
花はとても甘い芳香がします。
オキシリピスにせよタクシフォリアにせよ花の蜜がよほど美味しいのか、多くの虫やナメクジを寄せ付ける点が悩ましポイントです。
ダーウィニア オキシリピスは開花すると花終わりに沢山の種を収穫できますが、この種は一般的に発芽しにくいと言われています。
増やすのであれば挿し木での成功率が高いとのことで、剪定で捨ててしまう枝を挿して増やしてみても面白そうです。
シトリオドーラに接ぎ木することができれば挿し木以上に生育予後が良いとされ、オキシリピスの栽培に適さない高温多湿の日本でも長期栽培が期待できる繁殖方法です。
オーストラリアでは絶滅危惧種に指定されているオキシリピスですが、日本では冬から初春にかけて苗の流通が始まります。
育てる環境
わが家の栽培環境は、千葉県の比較的温暖な地域で、夏の最高気温は38度、冬の最低気温は-3度ほど(年に1〜2回あるかないか)の環境で、北風の当たらない南向きの庭、もしくは軒下にて育てています。
ダーウィニア オキシリピスは高温多湿の環境では生育が難しく、
夏の湿気の多い地域では、長期間維持するのが難しい種であることが判明しています。
特にオキシレピスはこうした性質を強く持っていますので、本場オーストラリアにおいても長期間育てるのは難しいと言われています。
まさに日本の夏はオキシリピスにとっては地獄そのものです。
ダーウィニア オキシリピスを育てる環境は、排水性の良い土と鉢、風通しの良い場所に置き、夏場は遮光して直射日光を避けて半日陰の環境が適しています。
冬は株元にマルチング材を敷き、鉢カバーをつけて寒風から根を保護してあげると春からの生育が良いです。
寒冷地では冬場は日当たりの良い窓辺で育てるのも一つの手です。その場合は風通りの確保もお忘れなく。
用土
ダーウィニア オキシリピスの用土には、普段バンクシアやグレビレアの土として使っているオリジナル配合の培養土を使っています。
硬質鹿沼土小粒と硬質赤玉土小粒をベースに、軽石と腐葉土のミックス+その時家にあるもの(パーライト、日向土、ベラボン等の内のどれか1種)と、かなり水捌け重視の配合です。
自分で配合するのが面倒な場合は、四国ガーデンさんの『ネイティブプランツ専用培養土』がおすすめ。
四国ガーデンさんのオリジナル用土は水捌けに優れており、オージープランツ全般に安心して使えます。
水やり
開花期はよく水を吸うためかよく乾くので水を切らすことなく与えます。
夏場も土の表面はよく乾くのですが、この時期は花をつけていないので吸水力自体は衰えています。
そのため、土の中まで乾いているかよく観察しながら灌水を行うと安全です。
肥料
ダーウィニア オキシリピスの肥料には『両筑プランツショップ』で購入した、リン酸をほとんど含まない「グレヴィレア バンクシア専用肥料」を定期的に与えています。
固形肥料の他に、2価鉄イオン[Fe2+]を供給してくれる『鉄力あくあ』と
植物を超元気にしてくれる活力剤『HB101』を株の様子を観察しながら与えています。
剪定
花後に株全体の1/3〜2/3ほどガッツリ切り戻しています。
花が終わる初夏から秋にかけて新芽が伸びて、成長が早くあっという間にモサモサになるため、
コンパクトなサイズ感で栽培を楽しみたい場合には、伸びた枝を整えるこまめな摘心と花後の剪定は欠かせません。
切り戻し時期が遅いと翌年の花付きに影響するため、遅くとも夏前には切っておきたいです。
ダーウィニア オキシリピスを育てた感想
オキシリピスを育ててみた様子、高温多湿な夏も成長を止めることなく、水の乾きも早いのでしっかり根は動いていると推測します。
順調と思いきや秋にぽっくりのパターンもネイティブあるあるなので全く油断はできないのですが、
ひとまずお迎えから最初の1年目はもんだになく栽培を楽しめています。
花が咲いていない季節も多肉植物のような葉が十分見応えあるのですが、開花期の株の様子はどこからどうみても魅力的なので毎日観察しては惚れ惚れしておりました。
長期栽培が難しいというのであれば、毎年苗を新調してもいいと思えるほど、私はこのダーウィニア オキシリピスを気に入ってしまったようです。
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