今回紹介したいオージープランツは『セルリア レモンハニー』
近年とても人気が高まっている南アフリカ原産のセルリア。セルリアと言えば儚げな白い花を咲かせるブラッシングブライドと薄ピンク色の花を咲かせるプリティピンクがメジャーですよね。
セルリアの中でもレモンハニーと言う品種はやや控えめな花の印象も相まり知名度は低めですが、手芸細工で作られたようなハニーイエロー色のお花は個性的で隠れファンの多い品種です。
花持ちがよく、ドライフラワーになってもほとんど褪色しないのも魅力。メジャー品種のセルリアと違い切り花ではほとんど流通しないため、フラワーアレンジメントとして楽しむには苗から育てるのが現状唯一の方法でもあります。
この記事では、『セルリア レモンハニー』特徴と育て方、成長記録を紹介しています。
セルリア レモンハニーの成長記録

流通シーズンの3月に開花直前のレモンハニーに出会い購入。
日本で流通している5種のセルリアの中ではこのレモンハニーが私最推しの品種になるのですが、運悪く中々出会う機会に恵まれず…
気がつけばこの品種以外のセルリアは全てコンプ。結局この子のお迎えが一番最後になってしまいました。

密度の濃いもっさりとした葉と、控えめながらもお上品なくすみイエローのお花が私的ドストライク。
この背丈でこの花芽の数は矮化剤の影響が疑われますが、このこんもりした姿形がとてもキュートです。
実際のセルリア レモンハニーはスラッとした樹形で、風になびいて頭をゆらゆら揺らしているイメージがあります。
2年目の様子

こちらお迎えから2年目経過したレモンハニーの様子(左)
5号鉢でお迎えしてから2年経ってもまだ6号です。
小さい鉢で育てているので株自体のサイズはさほど大きく変化しておりません。このサイズだと水の管理が楽なのでそうしてます。水やりの頻度は春夏秋1日1回。冬は2日に1回。
1年目は軒下管理で日照が足らなかったからか花がつかずでしたので、2年目は日照時間の確保のため屋外フェンスにハンキングさせて育てていたところ、翌年の春にはたくさんの花芽をつけてくれました。
ハンキングの様子

セルリアの雨晒し管理は少し心配でしたが、水捌けの良い土と風通しさえ確保してあげれば問題ない様子でした。
セルリア レモンハニーの特徴とわが家の管理方法
| 学名 | Serruria glomerata ‘Lemon Honey’ |
| タイプ | ヤマモガシ科セルリア属 |
| 原産地 | 南アフリカ |
| 耐寒気温 | -3℃前後 |
| 開花期 | 2月〜4月 |
| 日照 | 日向むき |
セルリア レモンハニーは南アフリカのケープ半島の狭い範囲にしか自生しない低木です。
苗の流通は春先から遅くても梅雨頃まで。これはレモンハニーの開花の見頃がだいたいそのくらいだからです。
冬~春に個性的なクリーム色の糸状の花を咲かせ、花後も切花、ドライフラワーでしばらく楽しめます。
お花の参考イメージ

ハニーイエロー色の花はクシュっとした姿形で開花期が長く、その後は切花として楽しみ、ドライフラワーになっても長いこと褪色しないため、庭でもお部屋の中でも鑑賞期間が長いのも魅力の一つです。
細かい切れ込みの入る葉は軟らかくフサフサしています。樹高、幅ともに1m程度とコンパクトにまとまり、マウント状の樹形に成長します。
ブラッシングブライドやプリティピンクよりも開花の時期が少し遅いので流通時期も若干ズレます。
育てる環境
わが家の栽培環境は千葉県の比較的温暖な地域で、夏の最高気温は38度、冬の最低気温は-3度ほど(年に1〜2回あるかないか)の環境で、北風の当たらない南向きの庭、もしくは軒下にて育てています。
わが家では、セルリア レモンハニーを1日中日の当たる南向きの庭で育てています。
日当たり、風通し、水はけの良い土の三拍子揃った環境でセルリアはよく育ちます。
高温多湿の環境が苦手ですので、梅雨~夏の間は風のよく通る軒下や、ハンキングで管理してあげると安心です。
水を好む植物なので、特に水切れには注意が要ります。加湿はよくありませんが、水捌けのいい土であれば湿っていても気にせずに毎日水やりするくらいがちょうどいい印象です。
冬の寒さには強い植物です。雪の積もらない温暖な地域であれば屋外管理で問題なく冬越しできます。
だいたい0℃くらいまでは耐えるとされていますが、わが家では-5度まで下がった冬も問題ありませんでした。霜や北風には当てない方が無難です。
セルリア レモンハニーの栽培でおすすめなのは鉢植えです。地植えも不可能ではないのでしょうが、長く育てるには不向きだろうと思います。
用土
セルリア レモンハニーは深く砂質で水はけの良い土壌を好み、pHは5~6の弱酸性が適しています。
わが家では、市販の培養土をベースに軽石(パーライト、日向土)、ベラボンなどを配合した土を使用。
風通しと日当たりのいい場所で管理することが前提ですが、セルリア レモンハニーの土はいかにも水捌け重視のサラサラした配合よりも、多少水保ち肥料保ちのいい培養土の方が生育良く感じます。
わが家では、プロテアやグレビレア(一部例外あり)の土には市販の培養土をベースで使うことが多いです。
水やり
セルリア レモンハニーへの水やりは、鉢植えであれば土の表面がやんわり乾いたタイミング、もしくは鉢を持ち上げてみて少し軽くなったと感じたタイミングで与えると良いです。
過湿に弱く、特に夏場は蒸れやすいため一回り小さめの鉢で管理してあげると水やりのタイミングが掴めやすくておすすめです。
この品種は地植えにあまり向いておらず、水分量が人の手でコントロールできる鉢植え管理が無難です。
肥料
セルリアの花をよく年も咲かすために、生育期に定期的な追肥が欠かせないと私は考えています。
わが家では、セルリア ラズベリーバーストの固形肥料に『両筑プランツショップ』で購入した、リン酸をほとんど含まない「グレヴィレア バンクシア専用肥料」を定期的に与えています。
この肥料はその名の通り「プロテオイド根」をもつバンクシアにも安心して与えることができる配合で作られています。
固形肥料のほか、春と秋には1週間に1度のペースで液肥とバイオスティミュラント活力剤を併用して与えています。
セルリアは栄養が不足すると葉色が黄色くなったり花芽がつかなかったりと、そのサインが顕著に現れます。
また、暑い夏、寒い冬を乗り切るためにも活力剤の散布も心強い味方となるので、セルリア栽培には積極的に使っていきたいアイテム達です。
剪定
セルリア レモンハニーの剪定は、開花後の剪定と、生育を促進するための剪定があります。
開花後の剪定
- 開花が終わったら、任意の位置で切り戻し(剪定)します。
- これにより、翌年の開花に向けた準備を整えることができます。
生育促進のための剪定
- 伸ばし放題にしてしまうと花芽がつきにくいことがあります。
- 1年に数回、剪定することで、剪定した部分から花芽が伸びてきます。
- 剪定によって株の生育を調整し、花をたくさん咲かせるように促すことができます。
セルリア レモンハニーは開花後の春〜梅雨前にかけてが切り戻しの適期になります。
花が咲き終わったら株の半分〜半分より少し短いところでカット。その時枝には葉が残るように切ります。
基本どこで切っても株が元気であればどこからでも新芽がふき出してきます。
それとは別に、夏場は蒸れやすいので風通しをよくしてあげるためにも細かな枝や重なりすぎている葉は適宜間引いてあげることが大切です。
セルリア レモンハニーを実際に育ててみた感想
セルリアの中で私最推しの品種がこのレモンハニーです。
ブラッシングブライドやプリティピンクなどの定番品種もいいですが、レモンハニーの控えめながらも上品なイエローでクシュっとした花、もふもふの葉はドライフラワーでとてもよく映えます。
フラワーアレンジメントでは同じくもふもふのフィリカと合わせても良し、フランネルフラワーやスモークツリー(グリーン系)との相性も抜群です。
オージープランツの中でも管理がむずかしいとされるセルリア。特に夏越しで苦い経験をされた方も少なくないと思います。
セルリアの管理は風通しのいい屋外で、成長期は水をよく飲むのでたっぷりと。夏の蒸れと冬の霜に注意するのが基本。
夏以外は日当たりの良いところで、日差しが強くなってきたら思い切って日陰で管理してあげるのもアリです。
流通期間が短く、セルリアの中ではマイナーのためか出会う機会の少ない品種ですので、出会ったらぜひお迎えしてみてはいかがでしょうか。










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