今回紹介したいバンクシアは『バンクシア メンジーシー ドワーフ(ファイアウッドバンクシア)』
日本でも切り花とドライフラワーで流通が盛んで、バンクシアと言えばメンジーってほどに人気の高い品種です。
苗での流通は稀で、栽培も難しとされていますが、
栽培のコツと合う環境さえ掴めば、実はそこまで気難しくもないのかも・・・?
この記事では、『バンクシア メンジーシードワーフ』の特徴とわが家の管理方法、成長記録を紹介しています。
その他、切り花・ドライフラワーで人気のバンクシアの品種>>>
バンクシア メンジーシードワーフの成長記録
わが家では、バンクシアメンジーシードワーフの小苗を2本、南向きの庭の軒下で育てています。
お迎え当時の様子
背丈があるけど1本立ちのメンジーシードワーフ(左)と
背丈はないけどたくさんの枝が分岐するメンジーシードワーフ(右)
分枝が多い方のメンジーは小さいサイズながらも既に将来が楽しみな樹形
枝1本1本はまだひょろっと細いのですが
株元の幹はご覧の通りの太さででっぷり。
貫禄のある幹割れは風格すら感じます。
日当たり良く、風のとおる軒下を定位置に、すくすくと成長を続けてます。
こちらは先ほどの株より一回り小さなメンジー。
1本立ちの枝の先端にはいくつもの成長点を確認。これを思い切ってバッサリカット。
すると後日いくつか側芽が上がり、株が賑やかになりました。
こちらの株も日当たりと風通しの良い軒下にて、のびのび管理しています
お迎えから1年半経過した様子
迎えてから約1年半経過した株の様子がこちら。
流石に花芽は未確認ですが、枝葉の数は随分と増えました。
もともと太かった株元の幹もさらに一回り膨らんだ様子。
2ガロンのルーツポーチは根でパンパンな様子なので、
涼しい時期が来たら一回り大きな鉢に植え替えてやろうと思います。
1本立ちだった株の1年後の様子がこちら。
こちらも根が回りきった様子で土の乾きも早いため鉢増しを決行。
ポットから抜いてみると白いプロテオイド根もぎっしり。
こちらもルーツポーチ2ガロンへ鉢増し。
鉢増し後、半年経過した様子がこちら。
鉢増し後、成長期のブーストが乗っかり、株はさらに一回り大きく成長。ボリュームも出てきました。
どちらのメンジーもお迎えしてからもうすぐ2年が経とうとしており、
順調に育っていれば翌年か、少なくともその次の年には花が咲いてもおかしくないところまでは来ていそうです。
また追って開花報告ができればと思っております。
バンクシアメンジーシー ドワーフの特徴とわが家の管理方法
学名 | Banksia menziesii ‘Dwarf’ |
タイプ | ヤマモガシ科 |
原産地 | オーストラリア西部 |
耐寒気温 | -5℃前後 |
開花期 | ー |
日照 | 日向むき |
バンクシアメンジーシードワーフはメンジーシーの這う性で、最大樹高幅は1.5mほどと、バンクシアの中では比較的コンパクトな低木に分類されます。
日本の狭い住宅事情にもフィットし、本家メンジーシーに劣らず人気の高い品種の一つです。
大きな花はビロードのようなシルバーグレーから始まり、花が開き始めて針金のような金色の花柱を放つ前に、先端が銀色で赤くなります。
穂はドングリの形になり、ワインレッド、シルバー、ゴールドの色が縦に整然と並びます。
切り花に適しており、花は花瓶に入れたままでも色が長持ちし、最終的にはドライフラワーとして長く楽しめるのも魅力。
花のイメージ
葉はバンクシア特有の鋸歯状で、灰色から緑色。
葉の裏は色が薄く、表裏のコントラストが涼しげで爽やかな印象です。
表裏ともにはうっすらと細かい生毛で覆われており、触り心地は表面は柔らかく、葉の芯は硬め。
バンクシアメンジーシードワーフを育てる上で意識したいのが「リグノチューバ」と「プロテオイド根」の存在です。
リグノチューバー
バンクシアの中にはリグノチューバーと呼ばれる再生 機関を備えている種もあります。
山火事などで全身が喪失する出来事が起こった場合でも、リグノチューバーさえあれば再生することができます。
リグノチューバーは一般的には焼失を避けるために地際や株元、土の中に作られる場合が多いですが、わが家のヘアピンバンクシアの場合はどうやら株元に集中しているようです。
全てのバンクシアにこのリグノチューバーが備わっているわけではありません。
プロテオイド根
バンクシアには「プロテオイド根」と呼ばれる独特な根の構造をしています。
根が塊になっていることからクラスター根とも呼ばれ、リン酸を多く摂取する役割を担っています。
この根のおかげで多くのバンクシアは栄養の乏しい砂地や痩せ地に自生することができています。
育てる環境
わが家の栽培環境は、千葉県の比較的温暖な地域で、夏の最高気温は38度、冬の最低気温は-3度ほど(年に1〜2回あるかないか)の環境で、北風の当たらない南向きの庭、もしくは軒下にて育てています。
わが家で育てているバンクシアメンジーシー ドワーフは、一貫して南向きの明るい軒下で、雨霜に当てずに管理しています。
葉の表面に生毛がたくさんついている品種なので湿気と寒風は避けたいのと、後述する葉の裏側にできるカビの発生を抑えるためにも、軒下での管理が適していそうと判断。
わが家にお迎えしてから、夏も冬も2回づつ経験しており、順調に育っている様子からもこの管理の仕方で間違ってはいなかったかなと思っています。
Instagramの投稿でたまに地植えされている方も拝見します。
さらに地植えで花まで咲かせている猛者の方もおられ、その環境にあっていればそこまで神経質になる必要もないのかも知れません。
わが家でも同一品種を2つも育てているので、いずれはどちらか一つを地植えで育ててみたいと考えています。
用土
わが家で育てているバンクシアメンジーシー ドワーフの用土は、
硬質鹿沼土と硬質赤玉土をベースに、軽石(パーライト、日向土で代用可)、腐葉土、プレミアムベラボンを加えた、水捌け重視の配合で混ぜ合わせた土を使っています。
既製品の購入するなら【四国ガーデンオリジナル】ネイティブプランツ専用培養土がおすすめ。
四国ガーデンさんの土には海砂が多く配合されており、水捌けが抜群でオーストラリア西部のバンクシアにも安心して使えます。
水やり
バンクシアメンジーシー ドワーフの水やりは、季節によって少し異なり、成長期の春〜秋は土の表面が乾き切る前のタイミング、もしくは鉢を持ち上げてみて少し軽くなったと感じたタイミングで与えています。
日当たりと風通しの良い場所で管理しているのもありますが、成長期のメンジーは水をよく欲しがります。
ただし、夏の水やりには少し注意が必要で、35度を超えるような夏場はメンジーも成長を止めており、意外と水を吸いません。
そこで水を過剰に与えてしまうと蒸れの原因につながり、夏の終わりに一気に体調を崩してそのまま枯れてしまうことも。
メンジーはもともと夏に乾燥する地域の植物なので、夏場の水分過多はNG。
わが家で行なっている夏場の水やりは、夕方か早朝の涼しい時間帯に、できるだけはやく乾き切る量の水を与えてます。
肥料
バンクシアメンジーシー ドワーフの肥料には『両筑プランツショップ』で購入した、リン酸をほとんど含まない「グレヴィレア バンクシア専用肥料」を定期的に与えています。
この肥料はその名の通り「プロテオイド根」をもつバンクシアにも安心して与えることができる配合で作られています。
固形肥料の他に、2価鉄イオン[Fe2+]を供給してくれる『鉄力あくあ』と
植物を超元気にしてくれる活力剤『HB101』を株の様子を観察しながら与えています。
剪定
枝葉を増やす目的と樹形コントロールに、わが家では定期的に剪定を行なっております。
メンジーシードワーフは「リグノチューバ」も持つ品種ですが、強剪定は怖いので行なったことがありません。
涼しい時期(初春、もしくは秋)に枝の先を切って整える程度。
以前一本立ちの小苗を真ん中あたりでバッサリ切った経験がありますが、後日無事に側芽が出て4本の枝に分岐しました。
病気(カビ)
メンジーシーは葉の裏に黒い点が出ることがあります。
わが家で育てているバンクシアの中でもこの症状が出るのがメンジーに限られており、葉の裏に小さな黒いポツポツが複数つきます。
出る時期としては梅雨〜秋の終わりにかけての気温と湿度の高い時期。
一度歯ブラシで擦ってみても取り除くことができず、どうやらメンジーの葉につきやすいカビの一種のようです。
この黒い点がこれ以上大きくなる様子もなく、これが原因で調子を悪くしている様子もないのですが、予防としては下記の殺菌剤を定期的に散布して、これ以上拡がるのを抑えています。
わが家で使用している殺菌剤がこれ
展着材の同時使用で効果アップ
散布には噴霧器をお忘れなく
いつかお庭でメンジーシーの切り花を収穫したい!
メンジーを育てはじめて3シーズン目に突入
毎年夏越しと冬越しにはハラハラしますが、流石にわが家の環境にも慣れてきてくれたのか、毎年調子を崩すこともなく、スクスクと育ってくれています。
ドワーフタイプでこのサイズまで育ったら、そろそろあるかも!?
お庭でバンクシアメンジーシーの切り花を収穫できる日を楽しみに、この魅力的なバンクシアを育てていこうと思います。
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